
20年以上中途採用の面接官をし、人事総務・経理財務の責任者を務めてきた当サイト運営者(以下、私)も、30代で3回転職しました。だから、逃げの転職をしたくなる気持ちはよく分かります。
転職はその職場がイヤでイヤで抜け出そうとする転職、いわゆる「逃げの転職」と、キャリアアップや新しい人生を目指す転職、いわゆる「前向きの転職」があるといわれています。
しかし、私は「逃げの転職」「前向きの転職」どちらも、「自分の人生を切り開く前向き転職」だと考えています。
私の3回の転職は、すべて「この職場はイヤだ!このままでは心身ともに壊される!」との危機感から脱出する「逃げの退職」でした。現在の仕事、環境から逃れたいという気持ちの退職、そして転職でした。
でも、このときに自分の退職や転職について、しっかりと検討し、自己分析し、対策を練り、計画的に進めたことで、空白期間もなく次の職場に就職できました。
これには転職エージェントの力が大きかったことはいうまでもありません。ホントに出し惜しみのないサポートに感謝が尽きません。
最初の転職では海外子会社を含めた会社経営に関与することできました。転職2つ目の会社では従業員数1万2000人の企業で経理課長に。転職3つ目では経理財務の経験を活かして株式公開業務で中心的に貢献させてもらいました。
どんなに暗黒な職場からの「逃げの退職」であっても、次の職場が決まるまでの行動、対策をきちんと行えば、新しい職場では輝かしい働きができます。「逃げ」であっても「前向き」な退職だったと、自分に胸を張れる時期が来ます。
今が、本当に苦しいのであれば、この記事をお読みになって、そして、転職エージェントを最大限に活用して、あたらしい人生を歩み出してください。
繰り返しになりますが、私は30代で3回転職しました。回数の多寡よりも、最終的に自分がどれだけ成長できたか、だと考えています。
転職採用の場でも、面接で応対する応募者にも「ウチでどんな働きをしたいか」を伺います。今が苦しくても、自分の将来に確たる信念がある人は、かならず転職に成功します。輝かしい未来を切り開くことができます。
自分を信じて歩み出してください。
✅ 30代の「逃げの転職」に対する正しい考え方
✅ 不安を前向きな行動に変える思考法
✅ 転職を失敗にしない自己分析と準備のポイント
なにが「逃げの転職」になるのか?

「逃げの転職」とは、現在の仕事から逃れたいという気持ちだけで転職を決めることをいいます。
問題の本質と向き合わず、新しい職場で全てが解決されると思い込んでしまうケースが多いです。

その場しのぎの転職は、また同じ悩みを繰り返すだけです。
- 逃げの転職の特徴
- 30代に多い理由
- 30代の離職率
逃げの転職が悪いというわけではありません。
ただし、次の環境に移っても同じ不満を抱くことが多いため、注意が必要です。
ここでは、逃げの転職とはどのような状態なのか、また30代で起こりやすい理由や離職率を紹介します。
逃げの転職の定義と特徴


逃げの転職とは多くの場合、後先を考えず、「とにかく今の職場を離れたい」が目的になっている転職です。
やりたいことや目指すキャリアまで頭が回らず、つらい現状から逃げるように職場を変える特徴があります。
- 仕事内容に不満を持つ
- 人間関係がつらい
- 会社の方針に納得できない
- とにかく今すぐ辞めたい
たとえば、上司との関係がうまくいかないことを理由に転職を決意する人がいます。
しかし、新しい職場でも上司と合わないことは十分に起こります。
そのたびに転職を繰り返すと、職歴に一貫性がなくなり、評価が下がる原因になります。
自分がなぜ辞めたいのか、冷静に分析することがとても大切です。
逃げの転職は、動機がネガティブになりやすいため、次の転職先でも満足しにくい傾向があります。
自分の意志で新しい道を選べるようにしましょう。



「逃げたい理由」ではなく「行きたい理由」を見つけよう
逃げの転職が30代に多い理由


30代になると、責任ある立場を求められることが多くなります。私も30代で3回転職しています。過重な労働環境とそれに伴う睡眠時間2時間の毎日に耐えきれず退職したこともあります。
このプレッシャーや将来への不安から、現状から逃げたいと思いやすくなります。
- 仕事の責任が増える
- 将来が見えない不安
- 同僚との比較に焦る
- 家族や生活の変化
たとえば、30代前半で役職がつかないままだと、同世代と比べて焦りを感じます。
その結果「今の仕事は合っていない」と判断して辞めたくなるのです。
ですが、本当に職場が問題なのか、自分のキャリアをどうしたいのか見極めないと失敗します。
30代は転職市場で求められる経験やスキルの基準が上がるため、慎重な判断が大切です。
現状の不満を行動のきっかけにすることは大事ですが、将来のビジョンを持って行動することがもっと大事です。



焦りや不安だけで転職すると後悔しやすくなります
30代で離職する人の割合


厚生労働省のデータによると、30代の離職率は20代よりは低いですが、決して少なくありません。
2023年の転職者実態調査では、30~34歳の転職経験者の割合は約15%、35~39歳は約13%となっています。(出典:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」)
- 30〜34歳の転職率は約15%
- 35〜39歳の転職率は約13%
- 20代よりは減少する傾向
- 決して低い数字ではない
30代で転職を考える人が多いのは、家庭を持ち始める時期と重なるからです。
将来への不安が大きくなり「今のままで良いのか」と悩みやすい年代です。
だからこそ、逃げではなく前向きな転職が必要です。
「どう生きたいか」をベースに転職を考えることが重要です。
逃げの転職はキャリアの一貫性を崩すリスクがあるので注意しましょう。



30代でも転職は多い。でも理由が大事なんです
30代で逃げの転職を選ぶリスク


30代で逃げの転職をすると、キャリアに深刻なダメージを与えることがあります。
とくに転職市場での評価や経済面、精神面での不安が大きくなります。



感情で動くと、将来後悔することになるかもしれません。
- 評価が下がるリスク
- 経済的・精神的不安
転職をすれば状況がすぐに改善するとは限りません。
むしろ「なぜ転職したのか」が採用側の評価に大きく関わります。
また、準備不足の転職は失業期間を生み、生活への不安も広がります。
ここでは、具体的にどんなリスクがあるのかを見ていきましょう。
転職市場での評価低下


逃げの転職は、採用担当者にマイナスの印象を与えることが多いです。
「また辞めるのではないか」と懸念されるからです。
- 短期間での退職は疑われる
- ネガティブな転職理由は不利
- 評価されるスキルが不明確
- 責任から逃げた印象を持たれる
たとえば「人間関係が悪かったから辞めた」という理由だけでは納得されません。
採用する企業側は「また同じ理由で辞めるのでは」と不安を感じます。
その結果、せっかくの応募機会でも、書類選考や面接で落とされやすくなります。
評価されるためには、前向きな理由や実績をしっかり伝える必要があります。
同じ「転職」でも、その背景と理由で評価は大きく変わります。



転職理由が評価を決める。逃げだけは絶対ダメ
経済的・精神的な不安定さ


準備不足の転職は、収入が不安定になりやすいです。
失業期間が長引いたり、前職よりも給料が下がったりすることもあります。
- 収入が一時的に減少する
- 生活費に困る可能性がある
- 再就職先が見つからない
- 自信を失う原因になる
たとえば、会社を辞めた後に数か月も職が決まらなければ、貯金が尽きる不安に襲われます。
焦って次の会社を選び、また失敗するという悪循環に陥ることもあります。
精神的なプレッシャーから体調を崩す人もいます。
逃げの転職は、そうした連鎖を生むリスクがあるのです。
冷静に、計画的に準備を進めないと、心も体も持たなくなります。



仕事を辞める前に、次の準備ができてますか?
逃げの転職を成功に導くための戦略


逃げの転職であっても、正しい準備と考え方があれば成功に変えられます。
ポイントは、自分の気持ちと目的をしっかり整理し、前向きな転職理由をつくることです。



「どう転職するか」を考えれば、失敗は防げます
- 自己分析のやり方
- 理由の明確化
- 前向きな理由の作り方
- 転職の計画と準備
気持ちだけで動かず、一度立ち止まって考える時間が必要です。
ここからは、逃げの転職を前向きな転職に変えるための4つのポイントを詳しく解説します。
自己分析の重要性


まず最初にするべきことは、自分の強みや価値観を明確にすることです。
なにが得意で、どんな仕事にやりがいを感じるのかをはっきりさせましょう。
- 過去の成功体験を振り返る
- 苦手な仕事を知る
- 価値観を言葉にする
- 理想の働き方を描く
たとえば、今の仕事で「人と関わるのが好き」と感じたなら、接客や営業職は向いているかもしれません。
反対に「パソコンの前に1人で集中するのが好き」なら、事務や分析の仕事が合うでしょう。
自分の得意なことや、苦手なことを知っておけば、次の仕事選びに迷いません。
自己分析は、今後のキャリアの軸をつくる大事な第一歩です。
感情だけで職場を変えるより、自分の軸を持って選んだ方が、長く働けます。



「何がしたいか」より「何が合ってるか」を知ろう
転職理由の明確化


転職の動機が「なんとなく辞めたい」では、企業に気持ちは伝わりません。
採用担当は、転職理由が納得できるかどうかを重視します。
- 転職したい理由を1つに絞る
- 言葉にして説明できるようにする
- できれば実例を添える
- 改善ではなく転職が必要な理由を示す
たとえば「上司のやり方が合わない」と感じていたなら、なぜ合わないのかを考えてみます。
「新しいアイデアを出せない職場だった」と感じるなら、創造性を大事にしたいという価値観が見えてきます。
このように、自分の転職理由を「感情」から「価値観」へと変えて説明できれば説得力が生まれます。
企業も「なぜうちに入りたいのか」を知りたいのです。
自分の気持ちを、他人にも伝わる言葉に変えることが大切です。



理由がはっきりしていると、面接も強くなれます
ポジティブな転職理由の構築


ネガティブな理由でも、伝え方を変えることでポジティブに見せることができます。
面接や書類で印象をよくするには、未来に向けた前向きな理由が必要です。
- 将来への目標を語る
- 転職によって成長したい意思を伝える
- 経験を活かしたいと説明する
- 学び直しや挑戦の姿勢を見せる
たとえば「評価されない職場だった」という理由も、「成果を正当に評価される環境で挑戦したい」と言い換えられます。
また「単調な業務がつらい」と感じていたら、「より広い業務に関わりたい」と言えば前向きな印象になります。
面接では企業が「うちで長く働いてくれるか」を見ています。
前向きな言葉で「なぜここを選んだのか」を語れれば信頼を得られます。
ただ逃げたのではなく、自分で未来を選んだという姿勢が大切です。



言い方次第で、マイナスはプラスに変えられます
転職活動の計画と準備


成功する転職には、しっかりとした計画と事前準備が欠かせません。
焦って辞める前に、やるべきことをリストにして一つずつ進めましょう。
- 自己分析と希望条件の整理
- 企業研究と求人の選定
- 履歴書・職務経歴書の作成
- 面接対策をしておく
たとえば、履歴書の作成では、自分の強みや成果を具体的に数字で表現できると好印象です。
面接では、なぜこの企業なのか、なぜ今なのかを自信をもって答えられるようにしましょう。
準備を怠ると、どんなに良い求人があってもチャンスを逃します。
また、辞めてからの転職は時間との勝負です。
理想は「働きながら活動する」ことですが、難しい場合でも計画を持って進めることで安心感が生まれます。



辞める前に「準備できた」と言えるか確認しよう
30代の転職活動における注意点


30代の転職では、20代とは違った視点と準備が求められます。
社会人経験があるからこそ、採用側は即戦力や長期的な定着を期待しているのです。



30代は「何ができるか」「どう働けるか」を見られます
- エージェントの活用
- スケジュール管理の工夫
ここでは、転職を成功に導くために30代が特に意識すべき2つのポイントを紹介します。
転職エージェントの活用


30代の転職では、転職エージェントを活用することで成功率が高まります。(転職を住まいの地域や商店街、飲食店や町工場といった職場に考えているならば別です。)
正直言って、今の転職市場では転職エージェントを使わない転職は時間を費やす一方、その分精神的ダメージが深まると考えています。
とくに非公開求人やキャリア相談など、1人では得られない情報やサポートが魅力です。



非公開求人の威力は偉大です!
私の転職もこの非公開求人からの紹介でした。
- 自己分析を一緒にしてくれる
- 面接対策が受けられる
- 企業の内情がわかる
- 年収交渉もしてくれる
たとえば、大手企業の求人はエージェントを通じて出されていることが多いです。
自分で探すよりも、希望に合った案件を紹介してもらえるため、効率よく進められます。
また、自分では気づかない強みや、他の業界への可能性も見つけてもらえます。
エージェントは、企業とのやりとりも代行してくれるため、在職中でも活動しやすくなります。
プロのサポートを受けることで、客観的な視点からのアドバイスが得られるのも大きなメリットです。



ひとりで悩まず、プロに頼るのも大事な一歩です
転職活動のスケジュール管理


30代の転職では、スケジュール管理がとても重要です。
働きながら転職活動をする人も多く、時間が限られているため、計画的に進める必要があります。
- 週に何時間使えるか決める
- エントリーする時期を調整する
- 面接日程は余裕を持つ
- 内定後の退職手続きも計算に入れる
たとえば、エントリーする企業を1週間に3社までに絞ることで、1社ずつ丁寧に準備できます。
一度に多く応募すると、面接対応やスケジュールがパンクする可能性があります。
在職中であれば、有給休暇や時差出勤制度をうまく活用するのもポイントです。
また、内定後の入社日調整や退職の段取りも早めに進めておく必要があります。
スケジュールを管理することで、気持ちにも余裕ができて落ち着いて行動できます。



30代の転職は「時間の使い方」がカギです
転職を繰り返さないための心構え


転職は人生を大きく左右する大事な選択です。
何度も繰り返すと、キャリアにブレが生まれ、評価や信用にも影響します。



転職したあとが本番。心の準備を整えましょう
- キャリアの軸を持つ
- 学び続ける姿勢
ここでは、転職後に後悔しないために持っておくべき2つの心構えを解説します。
長期的なキャリアビジョンの構築


転職を成功させるには、短期ではなく長期で物事を考える視点が必要です。
「次の転職先で何ができるか」ではなく、「将来どんな自分になりたいか」を考えましょう。
- 5年後の理想像を描く
- キャリアのテーマを決める
- 一貫した軸を持つ
- 選ぶ仕事に意味を持たせる
たとえば「人を育てる仕事がしたい」と考えるなら、教育やマネジメントの経験を積むことが必要です。
それに沿った職種や業界を選ぶことで、次のステップにつながるキャリアになります。
その場しのぎの転職をせず、自分の成長にとって必要かどうかを基準にしましょう。
今だけを見ずに、将来を見据えた行動が転職を成功に導きます。
ブレない軸を持つことで、仕事選びに迷わなくなります。



「この道で生きる」と決めれば、迷いは減ります
自己成長と学びの継続


転職後も、成長を続けようとする姿勢が何より大切です。
学ぶ意欲を持ち続けることで、どんな職場でも価値を発揮できます。
- 業界の勉強を続ける
- 新しいスキルを学ぶ
- 本やセミナーを活用する
- 社内外で学びの機会を探す
たとえば、未経験職に転職した人は、資格取得やeラーニングで知識を補っていくのが有効です。
現場に入ってからも、常に情報を集めて学び続けることで信頼されます。
また、小さな成果を積み重ねていくことで、自信が育ちます。
成長意欲のある人材は、どの会社でも重宝される存在です。
学びを止めないことが、転職後の成功と定着につながるのです。



「もっと学びたい」が転職後の未来を変える力になります
まとめ


- 「逃げの転職」でも計画的に準備すれば成功できる
- 自己分析や前向きな転職理由が重要
- 30代の転職は将来のキャリアビジョンを見据えよう
- 転職エージェントの活用で成功率アップ
- 焦らず準備と計画を立てて進めることが大切
「逃げの転職」は決して悪いものではありません。重要なのは、感情に流されず、自分の強みやキャリアの軸をしっかり見極めること。30代は転職市場でも求められる経験が高くなりますが、しっかりとした計画と自己分析、そしてプロのサポートを活用すれば、新しい環境でも輝くことができます。
不安な気持ちに寄り添いながらも、自分の未来を信じて一歩踏み出していきましょう。



まずは自分の気持ちを整理し、転職エージェントに相談してみましょう。非公開求人を含めた情報やアドバイスが、未来の一歩を後押ししてくれますよ。
おすすめは、「リクルートエージェント」 「doda」 「マイナビエージェント」など。まずは相談だけでもOKですよ!
よくあるQ&A


- 30代で「逃げの転職」をしても大丈夫?
-
「逃げの転職」は必ずしも悪いことではありません。私自身、30代で3回転職し、すべてが「逃げの退職」でした。でも、自己分析や転職理由の明確化、計画的な行動をしたことで、新しい職場でキャリアを築けました。「逃げ」から始まっても、自分の将来を見据えて準備すれば、前向きな転職に変えられます。転職エージェントの力を借りるのも有効な手段です。
- 逃げの転職を成功させるためのポイントは?
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成功の鍵は「自己分析」「転職理由の明確化」「ポジティブな転職理由の構築」「計画的な転職活動」の4つです。
特に自己分析では、自分の強みや価値観をしっかり理解することが重要です。また、ネガティブな理由も、面接では前向きに言い換えて伝える工夫が必要です。 - 逃げの転職で転職市場の評価は下がる?
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はい、採用担当者に「また辞めるのでは」と懸念されることがあります。特に「ネガティブな理由だけ」で退職を説明すると、評価が下がるリスクが高いです。ただし、ポジティブな転職理由をきちんと作り、面接で説得力を持って説明すれば、マイナスをカバーできます。
- 30代の逃げの転職にありがちなリスクは?
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・短期間の離職で経歴に一貫性がなくなるリスク
・収入や生活の不安定化
・焦って次を決めることで、また同じ失敗を繰り返すリスク
これらを防ぐために、転職活動の準備と計画が非常に大切です。特に、在職中に活動するのがおすすめです。 - 逃げの転職を前向きな転職に変えるコツは?
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「なぜ逃げたいのか」ではなく、「どんな未来を目指すのか」を自分に問いかけることです。転職理由を「前向きな目標」に変換し、面接で堂々と語れるようにしましょう。また、自己分析で自分の適性や希望を整理することも大切です。自分の軸を持つことで、どんな職場でも自信を持って働けるようになります。