
転職活動において最初の関門となるのが「履歴書」です。
この履歴書が、採用担当者の目に留まり、面接に進めるのは全体のわずか1割程度にすぎません。
どれほど立派な経歴や資格であっても、書き方や表現の仕方で「その他大勢」と同じ扱いになってしまうのは非常にもったいないことです。
採用担当者は毎日数十~数百枚の履歴書を手にします。精読する履歴書はごくわずかでほとんどが斜め読みです。注目すべきポイントが見つからなければ不採用に振り分けます。
だからこそ、履歴書は単なる経歴の羅列ではなく、「面接に呼びたい」と思わせるための戦略的な書類である必要があります。
履歴書は、たんなる応募書類ではなく、他者に抜きん出るツールにする必要があるのです。
本記事では、面接歴20年以上の採用責任者が語る“選ばれる履歴書”の極意を紹介します。基本のルールから、志望動機や自己PRの工夫、資格や職歴の見せ方まで、実践的なポイントを徹底的に解説しえいます。
読み進めることで、あなたの履歴書が一歩抜きん出る武器に変わるはずです。
ぜひ、最後までお読みください。
✅ 採用担当者が履歴書をどのように見ているか、そのチェックポイントと合否判断の実態
✅ 面接に進める履歴書と不採用になる履歴書の違い、突破率を上げるための工夫
✅ 履歴書作成前に必要な準備や基本ルール、使い回しを避けるべき理由
✅ 学歴・職歴・資格・志望動機・趣味特技など、各項目ごとの正しい書き方と注意点
✅ 応募者の強みや人柄を効果的に伝えるための自己PRや志望動機の書き方
✅ 紙の履歴書・Web履歴書・電子データなど形式別の作成ポイントと好印象を与えるコツ
履歴書で面接まで進める人になる!

採用担当者は転職面接の現場で、提出書類である「履歴書」と「職務経歴書」で「面接すべき人材か」を見見定めています。
1日に数十~数百の履歴書を手にする採用担当者は履歴書を最後まで目を通すことはほとんどなく、読み切ったとしてもそこから面接まで進める応募者はごく少数です。
面接歴20年超の採用責任者が語る転職成功法
履歴書をたんなる履歴・職歴をアピールするだけの書類と考えている応募者が大多数です。採用担当者はその履歴書を斜め読みします。そして、注目ポイントに目を光らせ、目を引くような記載がなければ不採用と判断することがほとんどです。
面接官の注目ポイントとはなにか?
以下、この記事の随所で、履歴書の書き方を含めて「面接に進める履歴書」をご紹介して参ります
あなたが、どれほど優れた経歴やスキルを持っていても、応募書類の内容からあなたの魅力が伝わらなければ、選考を突破することはできません。

言い換えれば、「落ちない履歴書」の書き方を知っているだけで、その他大勢から一歩も二歩も抜け出せるのです。
「たかが履歴書、されど履歴書」です。
履歴書を書き始める前の準備と基本ルール


転職用の履歴書を書く前には、必要な準備をしっかり整えることが大切です。書く内容に迷わないように、基本のルールを理解してから書き始めましょう。
そして、一番大事なことですが、応募書類の使い回しはNGです。採用担当者はすぐに見抜きます。志望動機の欄を見れば一目瞭然です。
どんなに履歴やスキルがよくても、この欄だけで多くの方が「このたびはご縁に恵まれず…」になっています。



準備不足のまま書き始めると、ミスや書き直しの原因になります。
落ち着いて、順を追って整えましょう。
履歴書は自分を正しく伝えるための大事な書類です。
最初に必要なルールや注意点を知っておけば、焦らずきれいに書き進められます。
面接歴20年超の採用責任者が語る転職成功法
履歴書のフォームを参考に、別紙に「マスターシート」を作成しておきましょう。思いつくもの、自分をアピールできるものを、それぞれに項目に細大漏らさず書き込んでおくのです。
履歴書作成時に、志望企業に合う希望職種や志望理由、自己アピールを抜き出して履歴書に記載していきます。このマスターシートがあると、どんな志望先でも採用担当者の目を引く応募書類が書けます。
そして、採用担当者が履歴書を見るポイントがあります。
採用担当者は履歴書のどこを見ているか
- 学歴・職歴・資格
まずは基本的なプロフィールをざっと確認します。「この人の経歴やスキルはどんな感じなのか?」という人物象をつかみます。 - 趣味や特技
次にキャラクター性をイメージします。「この人と一緒に働いたらどんな感じなのだろう?」といった人間性を見るのです。 - 志望動機
この項目は、書き方ひとつで熱意が伝わるかどうかが決まる履歴書の最重要ポイントです。「本気でうちに入りたいのか?」を測る大事なチェック項目です。 - 希望条件
勤務地や待遇など、会社側の条件とマッチするかどうかを最終確認します。
では、履歴書作成の基本から順番に見ていきましょう。
履歴書作成の心構え
履歴書はあなたの第一印象を左右する重要な書類です。
相手に丁寧さや誠実さが伝わるよう、真剣に向き合いましょう。
まず大切なのは「読みやすさ」と「正確さ」です。
誤字脱字がないか、内容に嘘がないか、見直しは何度も行いましょう。
- うそは書かない
- 誤字・脱字は絶対にチェック
- 丁寧に書く意識を持つ
- 相手目線で見やすく書く
たとえば誤字があると、「この人は細かい確認ができない人」と見られてしまいます。
また、内容に嘘があった場合、内定後の取り消しや信用問題にもつながります。
採用担当者は履歴書の言葉の使い方や書き方から、あなたの性格や考え方を感じ取ります。
「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるような内容を心がけましょう。
履歴書は単なる書類ではなく、あなたの「分身」ともいえる大切な存在です。
心を込めて書いた履歴書は、きっと採用担当者の心にも届きます。



履歴書は第一印象を左右する大事な分身です
応募者が気を付けるポイント
- 見た目のバランスを整える
文字が少なすぎてスカスカだとやる気が伝わりません。全体のボリューム感を意識して、空白はなるべく減らすのがコツ。 - 文書マナーは基本中の基本
誤字脱字や書式の乱れはそれだけで印象ダウンです。まずは最低限のマナーを守りまってください。 - 手書きなら丁寧に
字が乱雑だとそれだけで損をします。応募の本気度も疑われます。なによりも読みやすさ=誠実さに直結するので、丁寧に書くことを意識しましょう。 - 短くても伝わる文章を意識
限られたスペースでも、工夫次第でしっかり自己アピールは可能です。簡潔に、かつ効果的に「自分らしさ」を盛り込みましょう。
履歴書の形式と用紙サイズ
履歴書の用紙には決まった形式とサイズがあります。
履歴書はJIS規格のものが一般的で、A4サイズが主流です。
履歴書は自分の履歴やアピールポイントを出せるフォーマットのものを選ぶことが大事です。パッと見で「書けない項目」欄が小さく、「書きたい項目」欄が大きいものを選ぶといいです。
- 職歴が多い人…コクヨ シン-5JN
- 職歴が少ない人…コクヨ シン-1
- 用紙は折れや汚れに注意
- 企業の指定があれば必ず従う
企業指定の用紙をダウンロードする場合も、形式に注意して選びましょう。
写真欄や職歴欄のレイアウトが企業の好みに合っているかも重要です。
履歴書の基本形式は、応募者のマナーが試される場でもあります。
選ばれる履歴書で、第一印象から差をつけましょう。



転職では職歴にあった履歴書を使いましょう!
コクヨ シン-5JN・・・職歴が多い人におすすめの履歴書用紙


職歴が多すぎて、欄がすぐ埋まってしまう…」そんな方には、JIS規格のコクヨ シン-5JNがオススメです。職歴欄が広めに取られているタイプが便利です。
新卒向けのフォーマットを選んでしまうと、どうしても違和感が出てしまうので要注意です。



この履歴書は、志望動機・特技・好きな学科・自己PRが1つの欄にまとめられています。そのため、余計なスペースに悩まずに、志望動機を中心にギュッとアピールできるのが強み。職歴が多い人だけでなく、「自己PRをしっかり伝えたい!」という方にも使いやすい形式です。
コクヨ シン-1・・・職歴が少ない人におすすめの履歴書用紙


第二新卒やキャリアがまだ浅い方は、どうしても「職歴欄に書くことが少ない…」と感じがちですよね。そんなときに便利なのが、この一般タイプのコクヨ シン-1です。
職歴欄はコンパクトですが、そのぶん自己アピールのための欄が充実しているのが特徴です。



このタイプには、志望動機・趣味・特技・スポーツや文化活動といった欄が多く設けられています。
職歴だけでなく、自分の「人となり」や「個性」をアピールできるので、採用担当者により鮮明にあなたの魅力を伝えられますよ。
手書き時の注意点
最近はPCで履歴書を作成する人も増えてきました。見やすく整ったフォーマットに仕上がるので、効率を重視するならパソコン入力でももちろんOKです。
ただし、転職サイトやキャリアコンサルタントの話しでは、多くの企業が「手書きのほうが人となりや熱意が伝わるのか、面接率が高い」という声があります。
- 黒のペンを使う
- 修正液・修正テープはNG
- 字は大きめで見やすく
- 間違えたら最初から書き直す
たとえば書き間違えたとき、修正液を使うと「雑な人」と思われる可能性があります。
文字は細すぎるよりも、少し大きめで余白を意識して書くと読みやすくなります。
誤字があれば新しい用紙に最初から書き直すことが、誠実さの証です。
丁寧に書かれた履歴書は、それだけで評価の対象になります。
書く手間はかかっても、しっかり準備すれば印象はぐっと良くなります。
一枚一枚に気持ちを込めて、しっかりと書きましょう。
手書きが好印象につながる理由
- 一文字一文字に丁寧さが表れる
- 誠意や気持ちが伝わりやすい
- 「この会社に入りたい」という本気度を感じてもらえる
特に、新卒や第二新卒など経験が少ない人の場合、履歴書の内容だけでなく、書き方から伝わる姿勢が評価につながることもあります。
基本情報欄の書き方


履歴書の基本情報欄は、あなたの身元や連絡先を正しく伝えるために大切です。
企業がまず確認する項目なので、書き間違いがないよう注意しましょう。



ここを間違えると連絡が届かないこともあります。
丁寧に正確に書きましょう。
- 日付・氏名欄の記入方法
- 写真の貼り方・撮り方
- 住所・連絡先欄の記入注意点
この欄は「当たり前」こそが大切な評価ポイントになります。
見た目の整え方にも気を配って、信頼感を持たれる内容にしましょう。
それぞれの項目を、順番に見ていきます。
日付・氏名欄の記入方法
履歴書の日付は、提出日または郵送日を記入するのが原則です。
古い日付や未来の日付を書くと、使い回しや確認不足と思われてしまいます。
氏名は戸籍通りにフルネームで、楷書で丁寧に書きましょう。
フリガナは履歴書の形式に合わせ、「カタカナ」または「ひらがな」で書きます。
- 日付は提出日を記入
- 氏名は戸籍通りの表記
- 読み仮名は指定形式に合わせる
- 文字はすべて楷書で丁寧に
たとえば履歴書を8月15日に持参する場合、その日の日付を記載するのがマナーです。
西暦か和暦かは履歴書の形式に合わせて、書き方を統一しましょう。
氏名の文字が雑だと、第一印象で損をします。
読み仮名も間違えると、名前を正しく読まれないリスクがあるので要注意です。
細部まで配慮して書くことが、好印象につながります。
信頼されるビジネスマンとしての第一歩は、ここから始まります。
面接歴20年超の採用責任者が語る転職成功法
- 「ふりがな」とあれば ひらがな、 「フリガナ」とあれば カタカナ…指定に従って書くのがマナーです。
- 邊・齋・惠など、戸籍上で旧字を使っている場合は、省略せず正しい表記で書きましょう。これも正式な氏名の一部です。
- 郵送する場合はポストに投函する日の日付。直接持参する場合はその日の日付。修正液や修正テープでの訂正はNG。自ら不合格を申し出ているようなものです。
入社後に、名前の「字」で問題になることがあります。会社は入社日までに、社員情報や社員データ、ネームプレートなどを作成して入社日に備えます。履歴書に略字などを使っているとそのままの字が使われ、特にネームプレートが本来の字と違うと問題になることがあります。
大企業など、厳格な会社では「履歴詐称」にもなりかねないので、小さいこととは考えず、すべて「ホント」のことを記載しましょう。



日付と名前は、もっとも見られる項目です
写真の貼り方・撮り方
履歴書に貼る写真は、あなたの第一印象を大きく左右します。スナップ写真やプリクラはNGで、証明写真を使いましょう。
履歴書の写真はプロに任せて「好印象」を演出しましょう。
履歴書の写真は、採用担当者が意外とチェックしているポイントです。もちろん「顔立ち」で判断しているわけではなく、雰囲気や第一印象を見ているのです。だからこそ、少しでも良い印象を与えられるように工夫することが大切です。



写真は3ヶ月以内に撮影したものを使い、裏に氏名を記載して貼りましょう。大量の履歴書を束ねると、意外と写真が剥がれるんです。2~3枚同時に剥がれると誰の写真か分からなくなるので、氏名が記載されていると採用担当者は助かるんです。
スタジオ撮影のメリット
スピード写真も手軽ですが、可能なら写真館や撮影スタジオでプロに撮ってもらうのがおすすめです。
- 姿勢や顔の角度を丁寧に直してくれる
- 光の当て方で表情を明るく見せてくれる
- ヘアメイクアーティストが常駐のスタジオなら、より「好印象」に仕上げてもらえる
こうした“演出”をプロに任せるだけで、印象はぐっと良くなりますよ。
たとえば白シャツとネイビーのスーツなら、清潔感と信頼感を与えられます。
髪が目にかかっていると暗い印象になるので、顔が見えるよう整えましょう。
背景は青や白が一般的で、落ち着いた印象を与えます。
コンビニやアプリでの写真作成も可能ですが、画質には注意してください。
写真1枚で印象が決まることもあるので、妥協せずしっかり準備しましょう。
履歴書の顔となる写真に、自信を持って挑みましょう。



写真の印象が面接前に影響します
住所・連絡先欄の記入注意点
住所や連絡先は、企業からの連絡が確実に届くように書くことが大切です。略さずに正しい表記で、番地や建物名まで丁寧に記入しましょう。
電話番号やメールアドレスは、連絡が取れるものを記載してください。メールはビジネス用のアドレスを使うと印象が良くなります。
- 住所は番地・建物名まで書く
- 電話番号は自分が出られる番号
- メールはビジネス向けのものを
- 略語や記号の使いすぎは避ける
たとえば「1-2-3」だけではなく「1丁目2番地3号」と丁寧に書くのが基本です。
連絡がスムーズに取れないと、選考に進めないこともあります。
メールアドレスは、愛称や数字だけのものは避けましょう。フリーアドレスで転職専用のアドレスを作成しておきましょう。
電話に出られない時間帯がある場合は、留守電などでメッセージが残るようにしておきましょう。
相手にとっての「安心」につながる情報提供がポイントで、見やすく丁寧な情報が、採用への第一歩になります。



住所や連絡先は「信頼」の土台です
学歴・職歴欄の書き方


学歴・職歴欄は、あなたのこれまでの歩みを伝えるとても大事な欄です。
採用担当者がもっとも注目する部分なので、正確に、見やすく記入しましょう。



経歴に誤りがあると信頼を失います。
間違いがないか必ず見直しましょう。
- 学歴欄の基本ルール
- 学歴欄に記載する特殊ケース
- 職歴欄の基本ルール
- 職歴欄の特殊ケース
ここでの書き方ひとつで、あなたの印象が大きく変わることもあります。
順番にわかりやすく、丁寧に書いていきましょう。
学歴欄の基本ルール


学歴欄は、基本的に中学校卒業から記入するのが一般的です。入学と卒業をそれぞれ1行ずつ書き、学校名は正式名称で記載します。学部や学科、専攻も書くと、より内容が伝わりやすくなります。
年号は西暦か和暦かを統一し、ズレがないように注意しましょう。
- 中学卒業から記入
- 入学・卒業は1行ずつ
- 学校名は正式名称
- 年号は統一する
たとえば「〇〇市立第一中学校 卒業」のように正式名で記入します。
「高等学校」も「高校」ではなく、正式名で「〇〇県立〇〇高等学校」と書きます。
卒業と入学が1行ずつあることで、見やすく整理された印象になります。
年号が西暦と和暦で混ざっていると、注意不足と思われてしまいます。
履歴の正確さが評価につながる重要な欄です。
信頼感を与えるよう、ひとつひとつ確認しながら書きましょう。



学校名や年号の統一が基本です
学歴欄に記載する特殊ケース
学歴に空白期間や中退などがある場合も、正直に書くのが基本です。事情を簡潔に書いて、誤解を招かないように工夫しましょう。
中退は「〇〇大学〇〇学部 中途退学」と記載します。
通信制や定時制なども、必ず記載しましょう。
- 中退は理由を簡潔に
- 通信・定時制は省略しない
- 空白期間は職歴欄で説明
- 留学経験は記載可能
たとえば「経済的事情により中途退学」と書くことで、印象が悪くなることはありません。
通信制高校は「〇〇高等学校 通信制課程 卒業」と明記します。
留学していた場合は、期間と学んだ内容を簡潔に補足しましょう。
空白期間が長いときは、職歴欄または面接で説明できるように準備します。
正直に、かつ前向きな印象になるよう心がけましょう。
不安がある内容ほど、工夫と誠意で信頼につながります。



中退や空白期間も正直に書こう
職歴欄の基本ルール


職歴欄は、あなたの社会人経験を示すもっとも大事な欄です。
入社・退社を正確に、順序立てて記入しましょう。
会社名、配属部署、退職理由は簡潔にまとめるのがポイントです。
職歴が多い人は、要点を絞って記載するようにしましょう。
- 入社と退社を時系列で
- 会社名は正式名称で記入
- 退職理由は簡潔に
- 部署名や職種も記入
たとえば「株式会社〇〇 入社」「営業部に配属」「一身上の都合により退社」と書きます。複数社ある場合は、時系列順にすべて記入してください。
在職中の場合は「現在に至る」と記載し、下に「以上」と締めくくります。
アルバイトは職歴には含めず、別欄で補足しましょう。
事実を正確に書くことが、信頼を得る第一歩です。



この職歴欄は履歴書全体の中でも、特に慎重に取り組んでください
職歴欄の特殊ケース
転職回数が多い、短期退職がある場合も、工夫して記載しましょう。
離職期間があるときは、空白にせず理由や活動内容を書くのがおすすめです。
派遣社員の場合は、勤務先と派遣元の両方を書くのが基本です。
契約社員や業務委託も、雇用形態を明確にしましょう。
- 派遣元と勤務先を明記
- 離職期間は活動内容を書く
- 雇用形態を正確に記載
- 短期退職でも正直に書く
たとえば「株式会社○○より派遣」「△△株式会社に勤務」と記載します。
離職期間中に資格取得や勉強をしていたなら、それを補足しましょう。
短期退職が複数ある場合は、「契約期間満了のため」など前向きな表現を選びます。
職歴にブランクがあるからといって、評価が下がるとは限りません。
正確さと前向きな姿勢が伝わるように工夫しましょう。
どんな経歴でも、誠実に伝えることでチャンスにつながります。



特殊な経歴は前向きに整理して書こう
免許・資格欄の書き方


免許・資格欄は、あなたのスキルや努力を伝えることができる大事な項目です。
仕事に関連する資格や、自分の強みになるものを正しく記入しましょう。



資格の内容は、企業があなたを選ぶ材料になります。
持っているものは正しく伝えましょう。
- 記載順序と書き方
- 記載すべき資格がない場合の対応
履歴書に資格をたくさん書けば良いというわけではありません。応募する職種と関係のない資格は、残念ながらアピール力はほとんどありません。むしろ「この人は何を伝えたいのか分からない」と思われる可能性も。
書くのは 仕事に直結する資格 を基本にしましょう。
順番にくわしく見ていきます。
記載順序と書き方


資格欄には、取得した資格や免許を、取得日が新しいものから順に書きます。
資格名は正式名称で書き、略語は使わないようにしましょう。
仕事に役立つ資格は、優先して上に記載します。
未取得でも合格済みであれば、「合格」と記入可能です。
- 取得日が新しい順に書く
- 資格名は正式名称で記入
- 略語や通称は使わない
- 合格済みも「合格」と記載可
たとえば「2025年7月 普通自動車第一種運転免許 取得」のように書きます。また、「MOS」ではなく「Microsoft Office Specialist(Excel)」と記入するのが正確です。
同じ分野の資格が複数ある場合は、難易度や実用性の高いものから先に記載します。
試験に合格していても、証書が未着なら「○○試験 合格」と明記します。
資格を多く持っている場合は、履歴書に書ききれない分を職務経歴書に記載してもよいです。
企業が重視する内容を意識して並べると、好印象につながります。



資格名と取得日は正しく記入しよう
記載すべき資格がない場合の対応
「履歴書に書ける資格がひとつもない…」という人も安心してください。そんな場合は、空欄にせず「特になし」と記入するのが正解です。
空欄にしてしまうと「記入忘れ?」と誤解されてしまいますし、あまりに多くの欄で空欄だと履歴書自体がスカスカな印象になるので要注意です。
取得した資格がなくても、これから勉強している内容や挑戦したい資格があるなら、自己PR欄で伝えるのもひとつの方法です。
「現在、簿記3級の勉強をしています」や「今後はTOEICで○○点を目指しています」といった形で書くだけでも、学ぶ姿勢や前向きな意欲を評価してもらえることがあります。



資格そのものよりも、「成長しようとする姿勢」が伝われば十分アピール材料になるのです。
- ない場合は「特になし」と記入
- 空欄は避ける
- 勉強中の内容は自己PRで補足
- 今後取得予定でも意欲は伝えられる
たとえば「特になし」とだけでも書いておけば、丁寧に対応していると評価されます。「日商簿記3級取得に向けて勉強中」のように、前向きな姿勢を自己PR欄に盛り込むと効果的です。
まだ資格がない方も、意欲が伝われば採用の判断材料になります。採用担当者は、資格そのものよりも取り組み姿勢を見ていることがあります。
持っていなくても気にする必要はありません。



自分らしさを伝えるきっかけにしていきましょう
志望動機・自己PR・趣味特技


志望動機や自己PR欄は、あなたの「やる気」や「人柄」を伝える大切なポイントです。
履歴書や面接で必ず聞かれる【志望動機】。ここで重要なのは、「なぜ数ある企業の中でその会社を選んだのか」が伝わることです。
よくあるマニュアル本の例文をそのまま使ってしまうと、一見きれいに見えても中身は空っぽ。結局、後の面接で突っ込まれたときに答えられず、自分が困ってしまいます。



ここでの一言が採用の決め手になることも。
気持ちを込めて、ていねいに書きましょう。
- 志望動機の書き方
- 自己PRの記入ポイント
- 趣味・特技欄の書き方
採用担当者は、履歴書の中でこれらの欄に「人間味」や「将来性」を感じとります。
事実と熱意をバランスよく、わかりやすく伝えることがポイントです。
志望動機の書き方


志望動機は、なぜその企業に入りたいのかを明確に伝える場です。仕事内容や企業理念への共感を、自分の言葉で表現しましょう。
「御社に興味があります」だけでは弱く、理由と具体性が求められます。過去の経験や今後の目標と結びつけると、より説得力が増します。
- 企業の特徴を調べて書く
- 自分の経験と関連づける
- 簡潔に300文字以内で
- 志望理由+入社後の目標
志望動機は要注意ポイントです。とくに「使い回し」はぜったいにダメです。どの会社にも使えそうなフワッとした言葉ばかりが並んでいると、その瞬間に採用担当者は、不採用にします。
企業や募集内容をしっかり把握していれば、そして、一歩も二歩も抜け出したいのなら、「どこにも通用する志望動機」なんてありえないんです。もちろん、あらかじめベースとなるマスターシートを作っておくのは効率的でOK。ただし、そのままコピペではなく、会社ごとに合わせた工夫は必須です。
さらに見ているのは採用担当者だけじゃありません。実際にあなたを部下として迎える現場の責任者も目を通しています。「この人は何ができるのか?」「どんな姿勢で働いてくれるのか?」と、かなりシビアな目線でチェックしているんです。
だからこそ、その部署の役割や仕事内容をちゃんと調べたり想像したりして、「相手が知りたいことはこれだろうな」と思える情報を盛り込むのがコツです。
たとえば「貴社の地域密着型のサービスに共感し、前職での接客経験を活かして貢献したいと考え志望いたしました」と書くと、具体性と熱意が伝わります。



志望動機は理由+具体例が鉄則
自己PRの記入ポイント
自己PRは、あなたの強みや働くうえでの価値を伝える大切な欄です。
仕事に活かせるスキルや考え方を、具体的に説明することが大切です。
抽象的な言葉だけでなく、エピソードを添えることで説得力が生まれます。
どんな形で会社に貢献できるのかが伝わるように意識しましょう。
- 具体的な経験を交えて書く
- スキルと人柄を両方伝える
- 300文字以内にまとめる
- 入社後の貢献イメージを示す
たとえば「前職ではチームリーダーとして売上目標を達成し、部下の育成にも注力してきました。責任感と粘り強さには自信があります」と書くと、強みが明確になります。
「明るく元気です」だけでは、どんな場面で活かせるかが伝わりません。
実績や工夫したことを含めて書くと、働く姿がイメージしやすくなります。
あまり長く書きすぎると、伝えたいポイントがぼやけてしまいます。
自分の強みを明確にし、それをどのように活かすかを簡潔にまとめましょう。
読み手の印象に残るような、具体性のある内容を意識してください。



強み+エピソードが自己PRの基本です
趣味・特技欄の書き方
趣味・特技欄は、あなたの人柄や価値観がにじみ出る部分です。
面接の話題になることもあるため、相手が質問しやすい内容にしましょう。
特に社会性や継続性のあるものは好印象を与えやすいです。
実際の経験を交えながら、簡潔に書きましょう。
- 継続している趣味を記載
- 人柄が伝わる内容を選ぶ
- 内容は具体的に書く
- 仕事とつながる要素があれば有利
たとえば「登山:週末に近隣の山に登っています。計画を立てて挑戦することが好きです」と書くと、行動力や継続力が伝わります。
「映画鑑賞」だけでは会話のきっかけになりにくいですが、「週に1本は必ず映画館で観るようにしています」と加えると印象が変わります。
「料理」「筋トレ」「資格勉強中」なども、工夫次第で人柄が表現できます。
趣味や特技に仕事と通じる力があれば、自然にアピールできます。
無理に立派なことを書く必要はありません。
自然体で、親しみやすさを感じてもらえる内容にしましょう。



趣味・特技は会話のきっかけになります
Web/電子履歴書の作成ポイント


Web履歴書や電子データで提出する履歴書も、紙の履歴書と同じように正確で丁寧な作成が必要です。
レイアウトやファイル形式にも注意し、相手にとって読みやすい形に整えましょう。



電子履歴書でも手を抜かず、読みやすく見やすくが基本です
- Web履歴書での注意点
- 電子フォーマットの活用
提出形式や環境によっても、評価が変わることがあります。
今の転職活動に合わせた作成ポイントを押さえておきましょう。
Web履歴書での注意点
Web履歴書は、企業の採用フォームや転職サイトから提出する場合に使われます。
文字数制限があることが多く、簡潔で伝わりやすい文章を意識する必要があります。
読みやすさを考えて、改行や箇条書きも活用しましょう。
スマホでも確認される可能性が高いため、文章の詰め込みすぎはNGです。
- 文字数制限に注意する
- 要点は簡潔にまとめる
- 見やすく改行を使う
- スマホ表示も想定する
たとえば「志望動機は300文字以内」といった制限がある場合、最も伝えたいことを先に書くと効果的です。
一文が長すぎるとスマホで読みづらくなるため、2~3行で改行を入れましょう。
自己PRや志望動機には、箇条書きを取り入れることで、要点が伝わりやすくなります。
HTMLなど装飾機能が使える場合でも、基本はシンプルが好まれます。
読み手の立場に立って、短く・わかりやすくを意識しましょう。
紙よりもコンパクトに伝える力が求められます。



Web履歴書は簡潔で読みやすく
電子フォーマットの活用
電子履歴書をPDFやWordで作成・提出する場合、レイアウトやファイル名にも気を配りましょう。
PDF形式で提出するのが一般的で、文字化けやレイアウト崩れを防げます。
ファイル名は「履歴書_氏名_提出日」など、誰のものかわかるようにしておきましょう。
WordやExcelで作成する場合は、編集ロックや改行ズレに注意が必要です。
- PDF形式で保存・提出
- ファイル名は氏名入りで
- レイアウト崩れに注意
- 文字化け対策も忘れずに
たとえばファイル名を「履歴書_山田太郎_20250815.pdf」のようにしておくと、企業側も管理しやすくなります。
PDF形式で保存すれば、表示が崩れる心配も少なく、安心して提出できます。
提出先によってはWord指定の場合もあるので、案内に従いましょう。
また、Googleドキュメントやクラウドストレージを使う場合は、共有設定も忘れずに確認してください。
企業がスムーズに受け取れる形式で提出することが、社会人としての配慮にもつながります。
見やすさと配慮のある履歴書が、信頼につながります。



電子履歴書は形式とファイル名に注意
まとめ


- 履歴書で面接に進めるのはわずか10%、書類の完成度が重要
- 採用担当者は履歴書を斜め読みし、注目ポイントで評価
- 「マスターシート」で応募先ごとの履歴書に対応
- 志望動機・自己PRは具体性と熱意が鍵、「使い回し」はNG
- 履歴書は誤字・脱字厳禁。読みやすさ・丁寧さが第一印象を左右
- 履歴書の形式は職歴に応じて選び、職歴が多い人は「コクヨ シン-5JN」、少ない人は「シン-1」がおすすめ
- 写真はスタジオ撮影が理想、清潔感・表情・服装に配慮
- 住所や連絡先は略さず記入し、確実に届く情報を
- 学歴・職歴欄は正確かつ正式名称で記入、空白期間も工夫して伝える
- 資格欄は仕事に直結するものを優先、ない場合も「特になし」と記入
- Web履歴書や電子履歴書も読みやすさと形式に注意を
採用担当者は履歴書から「人柄・熱意・信頼性」を見抜こうとしています。
履歴書はあなたの「分身」。たった一枚で大きく未来が変わります。
丁寧に、そして相手目線で書いた履歴書は、きっとあなたのチャンスを広げてくれます。



履歴書作成に不安がある方は、転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。
よくあるQ&A


- 履歴書で面接に進める確率はどれくらい?
-
一般的に、履歴書を提出した応募者のうち、面接まで進める人は約10%程度とされています。つまり、書類選考の段階で9割は落とされているという現実があります。
- 履歴書を書くときに一番大切なポイントは?
-
読みやすさと正確さが最も重要です。誤字脱字を避け、丁寧に書くことが大前提です。さらに、志望動機欄は特に重視されており、「本気でその会社に入りたいかどうか」を判断される部分です。
- 履歴書は手書きとパソコンどちらが良い?
-
どちらでも問題ありませんが、企業によっては「手書きの方が熱意が伝わる」と評価するケースがあります。とくに経験の浅い人や若年層は、手書きの方が印象アップにつながることもあります。
- 志望動機は使い回しても大丈夫?
-
使い回しはNGです。採用担当者はすぐに見抜きます。企業ごとの特徴や募集要項に合わせて、毎回カスタマイズすることが重要です。
- 履歴書の用紙サイズやおすすめの形式は?
-
JIS規格のA4サイズが一般的です。職歴が多い人は「コクヨ シン-5JN」、職歴が少ない人は「コクヨ シン-1」が使いやすいとされています。
- 履歴書の写真はどんなものが良い?
-
3ヶ月以内に撮影した証明写真を使用しましょう。できればスタジオで撮影し、裏面に氏名を記載しておくと安心です。服装は白シャツ+ネイビースーツなど、清潔感のあるものが好印象です。
- 学歴・職歴欄で気を付けることは?
-
学歴は中学校卒業から記入し、入学・卒業を1行ずつ書きましょう。職歴は時系列で、正式名称で書き、在職中なら「現在に至る」、最後に「以上」と締めくくります。誤りがないか必ず見直しましょう。
- 資格がない場合、履歴書にはどう書く?
-
「特になし」と記入するのがマナーです。空欄にすると記入忘れと思われる可能性があります。現在勉強中の内容や今後取得予定の資格は、自己PR欄で補足すると良い印象につながります。
- Web履歴書で気をつけることは?
-
文字数制限やスマホ表示を意識し、簡潔に見やすくまとめることが重要です。改行や箇条書きを活用し、読みやすい構成にしましょう。提出形式はPDFが一般的で、ファイル名には氏名を入れましょう。