
20年以上中途採用の面接官をしてきたサイト運営者(以下、私)が、転職で定番の質問「力を入れて取り組んだこと」の、その質問意図と具体的な回答方法をアドバイスします。そして、面接官をなるほど!と唸らせた例文も公開!

力を入れてがんばったことなんて思い浮かばないわ…!



力を入れたことって、どう回答すればいいかわかんないよ…



こんなふうに、普段では聞かれないことを質問されて回答にアタフタされる応募者が多く見受けられます。
ご安心下さい!
質問の意図、回答方法、面接官に「なるほど!」と思わせる模範解答をを伝えします。
転職で聞かれる「力を入れて取り組んだこと」とは
転職面接でよく尋ねられるこの質問は、応募者のこれまでの経験を具体的に把握し、業務に対する姿勢や実績を評価するためのものです。
ですが、この「力を入れて取り組んだこと」、じつは、応募者にとっては自己アピールの重要なチャンスでもあるんです。





過去の経験から「力を入れて取り組んだこと」を整理しておき、自己アピールに繋げましょう。
ただし、応募先企業と関連のないことをアピールするのはよくありませんよ。(以下で詳細を述べます)
- 質問の意図と重要性
- 回答作成のポイント
- 回答の構成方法
- 具体的な例文
- 回答作成時の注意点
- よくある質問とその対策
「力を入れて取り組んだこと」は、面接官に応募者の強みや成果を伝える大切なチャンスで、仕事や業務に対する考え方や行動力を示す大きな稼ぎポイントでもあるんです。
具体的なエピソードと成果を示し、応募先に採用されたら、どうのように活かしていけるかにつなげるのが効果的です。
質問の意図と重要性
企業がこの質問をする理由と意図


企業がこの質問をするのは、候補者の働き方や業務に対する姿勢を理解するためです。
また、入社後の貢献が期待できるかを判断する重要な指標としても役立てられます。
そしてもう一つ大事なことは、企業の情報や応募職種についていかに知っているかが、質問の意図に含まれています。「力を入れたこと」の回答を面接の度に使い回していると、面接慣れした面接官には一瞬で見破られます。
その企業の募集内容に沿った回答を準備しておきましょう。



その企業の募集内容に沿った回答を準備しておきましょう
- 業務への取り組み姿勢を確認したい
- 業務での実績や成果を把握したい
- 入社後の貢献を予測したい
- 会社情報をどれだけ知っているか
力を入れたことがすぐに思い浮かばないという人もいるでしょうが、例えば、過去に積極的にプロジェクトに参加し成果を出したといった経験があれば、応募者の成長意欲や挑戦する姿勢を示す要素になります。
このような質問には、具体的なエピソードを通じて、自分の強みや業務での貢献度を伝えることが内定や第二・第三面接へとつながります。
回答が評価に与える影響


この質問の回答内容は、面接官が候補者のポジティブ精神や行動力を見る際の大きなポイントとして考えています。
特に、過去の実績や取り組みが応募職種に関連していると高評価につながりやすくなります。
- 実績が評価に直結する
- 応募職種との関連性が重要視される
- 具体的な成果が信頼感を生む
回答が具体的であるほど、採用担当者に強い印象を与えられます。



応募職種に求められるスキルや姿勢が伝わるように、過去の取り組みを適切にアピールしましょう
回答作成のポイント
具体的なエピソードの選び方


まず、具体的なエピソードを選ぶ際には、成果が明確で応募先に関連性があるものを選ぶことです。
エピソードの選定が面接の評価に直結するため、応募先で役立つスキルや実績を中心に考えることです。
- 成果が具体的に示せるエピソード
- 応募先で役立つスキルを含む経験
- 業務に対する姿勢が表れる内容
例えば、営業職の場合は、特定の目標を達成したエピソードが評価されやすいでしょう。



応募先で求められるスキルや価値観を念頭に置きながら、取り組みの成果や具体的な役割を説明することで、説得力が増しますよ
成果や結果の明確化


面接官に対し、自分の実力を明確に伝えるためには、達成した成果や数値的なデータを存分に活用しましょう。
- 数字で成果を示す
- 数値的なデータを使って説得力を増す
- 業績や成果の具体例を挙げる
たとえば「売上を20%増加させた」「プロジェクトの進行時間を30%短縮した」「それまで何度も失敗して誰もやりたがらなかったプロジェクトに、リーダーを買って出て、はじめて成し遂げ、しかも目標の30%UPを達成した」といった具体的な数字は、面接官にとっても評価しやすくなります。
応募先での活躍を期待させるためには、成果を具体的に述べることが重要な鍵になります。
応募先企業との関連性の強調


エピソードを選ぶ際には、応募先企業が求めるスキルや価値観に沿ったものを意識しましょう。



特に、企業文化や業界での特徴に関連した経験があれば、その経験を伝えることで評価が高まりますよ
これは、応募者が応募企業をどれほど情報収集しているか、ひいては企業のことをどれだけ理解しているか。その上で応募しているということを暗に示すことにつながります。
- 企業が求めるスキルを意識する
- 企業文化にマッチするエピソードを選ぶ
- 業界や職種での関連性を強調する
例えば、応募先が向上心を重視する企業であれば、自ら率先してスキルアップに取り組んだ経験や困難に挑戦した事例が有効です。
逆に、人件費の安い東南アジアへの進出を進めている企業に、海外での活躍をしたいからとアメリカでの新規開拓実績を述べても面接官は聞き流すだけです。
応募先の期待に応えるには、企業側に「この人と一緒に働きたい」と感じてもらえるようにすることなのです。
回答の構成方法
課題の認識


回答の構成は、まず「課題の認識」から始めましょう。
「力を入れて取り組んできたこと」という課題に対しては、まず自分がどのような気づきで、それをどのような方法で解決に取り組んだかを示すことで、問題解決能力をアピールすることができます。
- 課題への気づき方を具体的に述べる
- 課題に対する解決意識を伝える
- 問題解決に至るきっかけを説明する



例えば、「顧客の不満が売上減少に繋がっている」と気づいたとして、それに対して改善策を考えたというケースであれば、課題意識が伝わりやすくなるよね
このように、問題に気づくきっかけと取り組んだ理由を明確にすることで、面接官に具体的なイメージを与えましょう。
取り組み内容


次に、課題に対してどのような取り組みを行ったかを説明します。具体的な行動や対策を簡潔に述べることで、行動力や工夫の様子が伝わります。
- 課題に対する具体的なアクションを示す
- 工夫した点や新たな試みを説明する
- 取り組み内容を簡潔にまとめる



「顧客の声をもとに新たな対応マニュアルを作成し、スタッフの教育にも力を入れた」というような、具体例を挙げると、取り組み内容が明確になるよ
たとえば、「顧客の声をもとに新たな対応マニュアルを作成し、スタッフの教育にも力を入れた」といった具体例を挙げると、取り組み内容が明確になります。
行動の結果や具体的な成果につなげることで、面接官に実際の様子や努力の様が伝わるでしょう。
成果と学び


さらに、取り組みから得られた成果と学びを伝えることも重要です。
具体的な成果とそこから得られた教訓を述べることで、自分の成長と成功体験をアピールできます。
- 取り組みの結果や成果を述べる
- 学んだ点や成長した点を説明する
- 将来に活かせる教訓をアピールする



「顧客満足度が15%向上し、リピーターが増えた」と成果まで踏み込むと、説得力が高まるよね
また、その経験から「顧客ニーズを積極的に探る姿勢の重要性を学んだ」といった成長ポイントも伝えとさらに高得点が狙えます。
応募先での活かし方


最後に、応募先企業でその経験をどう活かせるかを述べます。
この部分で、応募企業での貢献に対する意欲を示し、実際に役立てられるスキルや経験をアピールしましょう。
- 応募先での活用方法を説明する
- 企業の求めるスキルに合わせてアピールする
- 貢献する意欲を示す



過去に休眠顧客を掘り起こした顧客対応経験を活かして、貴社でも顧客満足度の向上に貢献したいと願っています!



このように、意欲的な姿勢を伝えることで好印象を残せますよ
このような具体的で伝わりやすい自己アピールが可能になります。
「力を入れて取り組んだこと」の模範例文
営業職の例
営業職での「力を入れて取り組んだこと」の1例として、目標達成や顧客満足度の向上に向けた具体的な取り組みが挙げられます。
たとえば、過去に新規顧客の開拓で目標の120%を達成した経験や、顧客との信頼関係を築きリピーター獲得に貢献したエピソードが評価されるでしょう。



一例としては、特に関係構築が難しい顧客に対して、細やかなフォローを行い、最終的には大口契約に至ったエピソードなどがありますね
- 目標の120%を達成した経験
- 顧客満足度向上に向けた具体的な取り組み
- 信頼関係を築きリピーター獲得



【回答例】
新規顧客の獲得を目標に掲げたプロジェクトに参加し、目標の120%を達成できました。
最初は、現顧客の不満点や要望を分析し、サービスを改善することで満足度を高める取り組みをはじめたんですが、改善と平行して定期的にフォローアップをしていくことで、顧客との信頼関係が深まり、結果としてリピーターや口コミによる新規顧客も増加しました。
この経験から、顧客の声に耳を傾ける重要性を認識し、単なるサービスの提供ではなく、顧客の長期的なパートナーであることを意識して行動するようになりました。
こうした経験は、営業職においてコミュニケーション力や行動力が評価されやすいため、アピールにつながります。
事務職の例
事務職での「力を入れて取り組んだこと」として、業務の効率化や細部への注意を徹底し、ミスを減らした経験が効果的です。



たとえば、データ入力作業などの場合、ミスの原因を分析し、手順の改善やチェックリストの導入により精度を高めた実績などは評価されます
- データ入力のミスを減らした取り組み
- 業務効率化のための手順改善
- チェックリスト導入で精度向上



【回答例】
前の職場ではデータ入力のミスが発生しやすく、その修正に多くの時間を費やしていました。
職場のメンバーと協議して入力手順の見直しとミスが多発する箇所の分析を行い、改善策を検討し業務の正確性を向上させるための取り組みを行いました。チェックリストを導入することで作業の抜けや漏れが防ぎて、データ入力の精度向上を図りました。このことで、ミスが減り、入力作業の時間が短縮され、他の業務に割ける時間も増えました。
この経験を通じて、自分一人では出来ないことでも職場のメンバーと協力して取り組むことで、問題解決と業務改善が効率よく進むことを学び、常によりよい方法を模索する姿勢を意識する姿勢が身に付きました。



「入力精度が98%から99.5%に向上した」といった具体的な成果を伝えると、より改善力アピールできますね
事務職は正確性が重視されるため、細部に気を配る力や効率化への工夫が高評価につながります。
エンジニア職の例
エンジニア職での「力を入れて取り組んだこと」として、新しい技術の導入や、システムの効率化に向けた改善が評価されやすいです。
たとえば、プロジェクトの進行を30%早めた経験や、コードの最適化により処理速度を20%向上させたといったエピソードがアピールポイントになります。
- プロジェクトの進行スピードを向上
- コードの最適化による処理速度の向上
- 新技術導入で効率化を実現



【回答例】
前職では、チームでのプロジェクトの進行が滞りがちだったので、スピードアップと効率の向上に取り組みを行いました。
まず、コードの処理速度を見直し、重い処理を軽量化することでプロジェクトの進行スピードが向上しました。また、効率化を目指して最新の技術を導入し、作業の無駄を削減することで、チーム全体の負担を減らしました。これにより、プロジェクトが予定通り進行するだけでなく、進捗が約20%向上し早期に目標を達成することができました。
この経験から、改善のための新しい手法に挑戦し続ける重要性を学びました。



この回答例のように、「従来の手法を改善し、処理速度が従来比で20%向上した」と、数値を示して伝えると効果的です
技術力や問題解決能力が具体的にアピールでき、採用担当者に強い印象を残せるでしょう
回答作成時の注意点
誇張や虚偽の情報を避ける


当然のことですが、面接では実際に経験した内容を忠実に回答することが基本です。
誇張や虚偽の情報は後で整合性が取れなくなるリスクがあり、そうなると信頼性を損なう原因になります。
- 経験した内容を正直に話す
- 誇張せず、事実を重視する
- 信頼性を損なわないように注意する
たとえば「売上を倍増させた」といった大きな誇張は避け、達成した数字や成果を事実に基づいて伝えましょう。



倍増させるほどの成績を納めたのなら、出世街道に乗ったのではないか?なぜ退職したい?会社はそんな人材を簡単に退職させる?
面接官は百戦錬磨のビジネス人生を歩んできた人がほとんどです。実際に力を入れて取り組んできたこと、その本当の成果を伝えましょう。
正直な内容は誠実性と信頼感を与え、面接官に良い印象を残します。
長すぎず簡潔にまとめる


面接での回答は、長すぎず、簡潔に要点を押さえることが大切です。
重要な点を短くまとめることで、面接官が理解しやすく、印象に残りやすくなります。



面接時間はだいたい60分か30分です。
限られた時間ですから、要領よく回答しましょう
- 簡潔にポイントを絞って話す
- 長くなりすぎないよう注意する
- 要点を押さえて理解しやすくする
「結果的に〇〇を達成できました」といった形で、ポイントを絞って説明することで簡潔な回答になります。
短くまとめた内容は、面接官にも聞きやすく、要点が伝わりやすくなります。
数字や具体的なデータの活用


面接での自己アピールにおいて、数字や具体的なデータを活用することは、説得力を高めるための重要なポイントです。
データを用いることで、自分の実績や成果がより具体的に伝わり、面接官にも納得してもらいやすくなります。
- 成果や実績を数字で示す
- 具体的なデータで説得力を高める
- 実績の規模感を理解しやすくする
たとえば「顧客満足度を15%向上」「売上を前年比20%増加」などのように、数値を示すことで視覚的なインパクトを与えます。
数字を用いることで、成果の大きさや実績の価値を客観的に示すことができ、面接官に強い印象を残すことができます。



大幅に向上させました!



向上度合いがどれくらいだったか、自分で気にならないのだろうか?
普通なら率先して気にするだろうに…
よくあるこんな場合の質問とその対策


学生時代の経験を話しても良いか
社会人経験が浅い場合や新卒に近い場合、あまりお奨めは出来ませんが、学生時代の経験を話すことも可能です。
ただし、学生時代の経験を話す場合には、応募先企業で活かせるスキルや姿勢を伝える内容に絞って下さい。



旅行・運輸関連でもない応募先なのに、
「世界遺産登録地の踏破を目指していました」
なんて答えても、ポイントにはならないよ
- 応募職種で活かせる経験を話す
- 成果や学びを具体的に伝える
- 社会人経験に繋がるスキルを強調する
たとえば、「大学でのプロジェクトリーダー経験で培った調整力を活かしたい」といった形で、現在の応募に関連性がある経験を強調しましょう。
学生時代の経験であっても、具体的な成果やスキルが伝われば、面接官に良い印象を与えることができます。
失敗した経験をどう伝えるか
失敗した経験を話す場合には、失敗をどう乗り越え、そこから学んだことをしっかりと伝えることが大切です。
失敗をそのまま話すのではなく、そこからどのように改善や成長が生まれたかに焦点を当てることで、前向きな印象を与えられます。
- 失敗をどう乗り越えたかを述べる
- 改善や成長の具体的な内容を話す
- 今後に活かせる教訓を伝える
たとえば、「プロジェクトの遅延を経験したが、計画の重要性を学び、次回からはより詳細なスケジュール管理を心がけた」といった改善の内容を具体的に伝えましょう。
失敗経験を通じての成長を伝えることで、面接官に対して前向きな印象を与えることができます。
まとめ
転職での「力を入れて取り組んだこと」の質問は、自己アピールの重要な場面であり、具体的な経験を通じて自分の強みを効果的に伝える大きなチャンスの場です。
質問の意図を理解し、応募企業の求めるスキルや姿勢に沿って、成果や学びを数字やデータで示すことが、採用担当者に好印象を与えるポイントです。
実績や経験が応募先企業でどう活かせるかを意識しながら、自分の価値を具体的に伝えられるよう準備しましょう。



具体的な実績と学びを伝え、応募先での活躍をイメージさせましょう
転職質問「力を入れて取り組んだこと」の Q&A


- 転職面接で「力を入れて取り組んだこと」はどのように答えればよいですか?
-
「力を入れて取り組んだこと」は、応募者が過去の経験を通じて得た成果や業務に対する姿勢を面接官に伝える重要な機会です。回答する際には、以下のポイントを押さえましょう
- 具体的なエピソードの選定: 応募先企業に関連するスキルや成果を示すエピソードを選び、取り組みの背景や目標、アプローチした方法を説明します。
- 成果や結果の明確化: 取り組みの結果を具体的な数字やデータを使って示すことで、説得力が増します(例: 「売上を20%向上させた」「顧客満足度を15%向上」など)。
- 応募先企業との関連性を強調: 応募する企業の求めるスキルや価値観に合った内容を強調し、入社後にどう活かせるかを伝えることが重要です。
- 簡潔にまとめる: 回答は簡潔で分かりやすく、長くなりすぎないように注意し、ポイントを絞って伝えましょう。
このように具体的なエピソードを通して自分の強みを示し、応募先での貢献意欲を伝えることが効果的です。